研究課題/領域番号 |
17K15890
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山田 容子 北里大学, 北里研究所病院, 医員 (30701007)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 心房細動 / 高齢者 / 抗凝固薬 |
研究実績の概要 |
目的:高齢者では、心房細動を有する患者が多く、それとともに抗凝固薬を内服している患者も増加している。しかし、後期高齢者やフレイルな高齢者は個体差が大きく、弱中年者と同様にCHADSVASc2 スコアを用いて判断してもよいのかという問いに対する答えはいまだない。本研 究の目的は、フレイルな高齢者へ抗凝固薬を投与する際の、判断材料となるような指標を探索することである。 方法:東大老年病科入院患者を対象として、高齢者における抗凝固薬使用の現状につき、(1)カルテ調査にて後ろ向きに ①主観的な判断基準②客観的な判断基準 ③梗塞、出血、全死亡のリスク因子を明らかにすること(上記①②は妥当であったかどうか) 結果:東大病院老年病科入院患者(2013-2015年)のうち、心房細動を有する90名を抽出し、抗凝固薬使用の現状を確認した。90名中48名に抗凝固薬が使用されていた。これら患者について、①抗凝固薬使用の主観的な判断基準をカルテから抽出した。また、②客観的な判断基準を検討するため、抗凝固薬の内服の有無と、高齢者総合機能評価項目(BMI、IADL、Barthel Index、HDS-R、vitality index、GDS15、独居の有無、腎機能障害)についての検討を行った。また、③高齢心房細動患者における梗塞、出血、全死亡のリスク因子を明らかにするために、前記90名の患者へアンケート調査を行い、75名が追跡可能であった。これら患者の最大3年間のイベント発生について調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属研究機関の変更により、当初予定していたエフォートが得られなくなってしまったため患者の抽出作業が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
抽出患者数を増やし、解析を進めていく。前向き観察研究のための患者の登録を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
患者へのアンケート発送が遅れているため、その郵送費や文書代として翌年度への持越しが生じた。
平成30年度は後ろ向き研究の解析や結果報告が見込まれており、こちらの論文投稿料や学会発表のための旅費を当初から計上していた。このたび次年度使用額が発生したため、今後国内外における学会発表の機会を増やすことを計画している。
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