研究課題
家族性地中海熱(FMF)は反復する発熱・漿膜炎を特徴とする自己炎症性疾患で、原因遺伝子としてMEFV遺伝子が同定されている。全国の医療機関から依頼された、臨床的にFMFが疑われる症例に対しMEFV遺伝子検査を行った。令和元年度は全国から172例の検査依頼があり、多くの不明熱患者の診断、治療に貢献した。発作と月経の関連を調査するため、FMFの国際診断基準を満たし、その後の経過が確認できた372例を対象とし、月経を含めた発作誘発因子を調査した。その結果、約半数の症例で何らかの発作誘発因子を有しており、女性患者に限定すると月経が最多の誘発因子であった。月経が誘因となる患者(月経関連群)は関連のない患者に比べ発症年齢が有意に低く、腹膜炎の頻度が有意に高かった。また子宮内膜症の診断を受けている患者が月経関連群で有意に多かった。その他の臨床症状やコルヒチンの有効性については有意差を認めなかった。遺伝子検査では、月経関連群でexon10の変異保有率が高い傾向が認められた。約半数のFMF患者が特定の因子によって発作が誘発されることを自覚しており、患者指導に役立てられる可能性があると考えられた。女性FMF患者では月経が最も発作を誘発しやすいことが示されたが、子宮内膜症を有する患者ではその傾向がより強くなる可能性が示唆された。
すべて 2019 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
Mod Rheumatol.
巻: 25 ページ: 1-4
10.1080/14397595.2019.1621440.
Mod Rheumatol Case Reports
巻: 3-1 ページ: 79-85
10.1080/24725625.2018.1527000
Ann Clin Transl Neurol.
巻: 6-5 ページ: 974-978
10.1002/acn3.773.
Intern Med.
巻: 59-1 ページ: 125-128
10.2169
Immunol Med.
巻: 42-4 ページ: 176-184
10.1080
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-3nai/