研究課題/領域番号 |
17K15893
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 元紀 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40621636)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 慢性疲労症候群 / 運動療法 / 固有感覚障害 |
研究実績の概要 |
名古屋大学医学部附属病院総合診療科(以下、本施設)に通院している慢性疲労症候群の患者で、本施設でこれまで実施してきた漢方治療・心理療法を行っても十分な治療効果が得られなかった患者を対象に、筋の異常緊張に着目したフィジカルアセスメントとストレッチやセルフマッサージ等の指導を加えた運動療法の治療効果を評価する臨床研究である。 平成29年度は介入対象となる症例の集積と運動療法の導入が活動の中心となった。 慢性疲労症候群モデルラットを用いた基礎的研究において、ヒラメ筋(抗重力筋)の過剰な筋緊張亢進が固有感覚神経の異常興奮を引き起こし、脊髄ミクログリア活性化を惹起させることが知られている。本研究における運動療法導入前のフィジカルアセスメントにおいて、慢性疲労症候群の患者で固有感覚障害が存在する可能性が示唆された。現在のところ慢性疲労症候群は主として患者の申告に基づいて診断されており、日常診療で測定可能な客観的診断指標は知られていない。我々が行っている固有感覚の測定は、測定は外来診察室で数分内に実施可能であり、慢性疲労症候群の診断において日常診療で用いることが出来る客観的指標の1つとなる可能性がある。 次年度においては、運動療法の効果を解析していく予定である。また、固有感覚については慢性疲労症候群患者でのデータを更に集積するとともに、健常人・他疾患でのデータも収集し、測定法を確立するとともに評価方法の標準化を目指していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
十分な症例数が現時点で集積できていない。
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今後の研究の推進方策 |
ストレッチやセルフマッサージ等の指導を加えた運動療法の導入症例を増やすとともに、臨床的な効果の解析を進めていく。また、固有感覚障害について測定法と評価法の開発を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた、調査研究のための海外出張が取りやめとなったため次年度使用額が発生した。今年度、解析者の人件費および研究者の出張費として使用する予定である。
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