申請者の研究室では、実験動物とヒト剖検脳において免疫染色を行い、尿酸の輸送体であるURAT1,GLUT9が脈絡叢に存在する可能性があることを新規に見出してきた (Neurosci Lett 2017; 659: 99-103)。よって、尿酸は血液脳脊髄液関門(BCSFB)を通過し、脳室内に移行しうると考えられるので、その血中濃度が高まれば、海馬を含む脳室周囲組織に影響を及ぼすと推測される。以上の知見から、痛風や高尿酸血症のように尿酸の血中濃度が過剰に高まれば、脈絡叢上皮細胞を介して脳室内に移行し、抗酸化作用により脳室周囲組織に直接影響を与えることで神経保護作用を示すのではないかと考えている。
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