がんの骨転移は強い疼痛を伴い患者のQoLを低下させるとともに、時に病的骨折や脊椎圧迫などの緊急処置を要する病態を併発しうる。骨転移巣がある場合の抗がん治療は、骨病変にのみ個別の治療を要したり、治療経過で骨病変への別処置が必要であったりして、骨病変がない場合よりも予後が悪く治療が困難である。 このような骨病変に対する組織修復の促進は、抗がん治療において重要である。本研究は、骨転移巣を有するがん患者の骨転移病巣において、血液凝固異常が骨再生に影響しているという仮説に基づく。 ヒト由来検体でのin vitroの評価は困難であったために骨転移をきたす担癌モデルマウスを作成し、化学療法・免疫療法を併用し腫瘍の制御を行いながら骨転移巣での血液凝固異常が与える影響を検討している。
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