研究実績の概要 |
2017年1月より患者の登録を開始し,24例を登録した.うち2名は3ヶ月後の検査まで終了している. 登録症例の平均年齢は59.1歳で,男性が13例であった.疾患分類は変性疾患が6例,炎症性疾患が11例(中枢性6例,末梢性5例),筋疾患(接合部を含む)が4例,その他が1例であった.収縮期%FMDは10.0±6.9%,拡張期%FMDは8.89±5.4%,BHIは0.83±0.52であり,異常値は収縮期%FMD(5%未満)5例,拡張期%FMD(5%未満) 2例,BHI(0.69未満)7例であった.当初の仮説では,疾患により血管内皮機能障害の影響が強いものとそうではないものが存在する可能性を考慮しており,疾患分類毎に内皮機能障害の有無について検討を行った.症例数がまだ少なく,変性疾患,炎症性疾患などの疾患分類とBHI,%FMDには有意な差を検出しなかった.また,同一疾患内でも罹病期間や重症度と血管内皮機能に関係があるのではないかと考えていたが,同様に症例数が少ないため,疾患群内の検討は行っていない.疾患を特定せず,Barthel IndexやFIMとなどのADLと血管内皮機能の検討を行ったところ,BHIとBarthel Index(P=0.232),収縮期%FMDとFIM(p=0.260)に有意な差を認めた. 研究責任者の退職により,科学研究費助成事業としては一旦終了するが,今後も症例を蓄積し,内皮機能と神経疾患の関係についての検討を引き続き行う予定である.
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