現代のストレス社会において、うつ病は誰もが罹患する可能性のある精神疾患であり、その予防法および有効な治療薬が求められている。本研究では、クルクミンをリード化合物として合成した新規クルクミン誘導体CUD003の抗うつ効果について検討した。CUD003は社会的敗北ストレスによるうつ様行動に対して比較的強いうつ様症状の改善効果を示した。またストレス負荷による副腎の肥大に対しても、著名な改善効果が確認された。その抗うつ効果の一部には5-HT神経系が関与すること、その受容体として5-HT1A、5-HT2A、および5-HT3受容体が関与していることが示された。
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