研究課題/領域番号 |
17K15903
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
宮本 孝英 杏林大学, 医学部, 医員 (60792603)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 肺炎 / 嚥下機能 / 認知症高齢者 / 低栄養 / 胆嚢 |
研究実績の概要 |
平成30年7月の当大学医学部倫理委員会承認後、当科に入院・外来通院した高齢者患者においてインフォームドコンセントを得られた65歳以上の420名の患者を対象に嚥下機能評価を施行している。併せて、血液検査を用いた栄養状態およびインピーダンス測定法を用いた体脂肪量、筋肉量などの評価も行っている。得られたデータはSPSS(PAST statistics24, IBM Company)で解析を行っている。本内容の一部は2018年度の日本老年学会総会で発表した。また、本研究期間で明らかにしたことであるが、高齢者胆嚢疾患の啓蒙的な症例として、Miyamoto T et al. Ceftriaxone (CTRX) and Pseudolithiasis in older people Geriat Gerontol Intern 2018 Mar;18(3):507-509. doi: 10.1111/ggi. 13245. 20を発表した。摂食が不可能あるいは絶食状態が認められると、胆泥形成に有意差が認められやすく(P<0.001)、アルツハイマー型認知症ではよりその傾向が認められやすいことを同学会で発表した(Miyamoto T et al. The association between eating difficulties and biliary sludge in the gallbladder in older adults with advanced dementia, at end of life. PLoS One. 2019 Jul 16; 14(7): e0219538.)。また、低栄養状態が、30日及び90日の死亡率のリスクになること、90日の死亡には、上気道防御反射が有力な危険因子であることを2019年度の日本老年学会総会で発表し、現在リバイス中である。更に、血管性認知症とアルツハイマー型認知症の病型別の嚥下障害の違いを明らかにし(横断研究)、現在論文作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前向き研究として当科に入院した患者においてインフォームドコンセントを得られた65歳以上の420名の患者を平成30年より登録し、解析をしている。一部の結果を2018年度の日本老年学会総会で発表した。また、同テーマに付随した研究についても2019年度の同学会総会で発表し、現在論文投稿中である。2017年度に立案した研究計画について計画期間を1年延期したが、現在論文作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在作成中の認知症病型別の嚥下障害について、前向きコホート研究を推進していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
患者登録に遅れが生じたため、3年計画が4年計画となった。現在まとめ中の論文の投稿代と学会発表代にする予定である。
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