認知症病型間で肺炎罹患率に違いを認め、肺炎罹患に関連する因子を解明したことで、認知罹患高齢者における肺炎発症の予測ができることを示した。肺炎罹患高齢者に低栄養、上気道防御反射低下および心房細動が存在すると、入院90日以内に死亡するリスクが高いことを示した。また、認知症が進行すると摂食量が低下し、ほとんど摂食できない患者が増えることを示し、絶食状態が続くと胆泥形成を促進することが分かった。以上、認知症罹患高齢者の誤嚥性肺炎・摂食嚥下障害の入り口と出口(死亡)に認められることを明らかにした。これは、認知症患者およびその家族に病態の進行予測を示す根拠になると考えられる。
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