背景:せん妄は、高齢の入院患者によく見られ、患者本人、医療提供者、患者の家族に大きな負担がかかる。早期回復を目的とした介入の報告はこれまでにもいくつかあるが、それら介入の費用対効果に関する研究は未だ進んでいない。目的:電子カルテデータを利用し、せん妄の寛解に対する複合介入の費用対効果を評価した。方法:聖路加国際病院において2017年から2018年にかけて、複合介入を計画し実施した。電子カルテデータからデータを抽出し、マルコフモデルを使用して、複合介入の費用対効果を分析した。結果:介入なしの群と比較し、複合介入は、1QALYあたり300万円程度となり費用対効果が良いことが明らかになった。
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