神経内科領域における漢方治療のエビデンス構築に向けて、当院独自の自覚症状評価システム(TOMRASS)を活用して研究を行った。特に漢方薬に反応が高い症状とされる頭痛、めまい、しびれに着目し、専門外来を設置して取り組んだ。漢方薬の有効性については、頭痛に対する呉茱萸湯 70.0%、五苓散 58.8%、苓桂朮甘湯 52.9%など、めまいに対する苓桂朮甘湯 48.4%、五苓散 63.6%、半夏白朮天麻湯 54.5%など、しびれに対する八味地黄丸 38.4%などであった。有効例の考察においては例えば、苓桂朮甘湯は足冷えを随伴する傾向があるなど、各方剤においてこれまでの知見にないことが明らかになった。
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