肥満関連大腸がん患者の腸内細菌叢は非肥満者に比し多様性が変化しており、特にE. faecalisと呼ばれる腸内細菌の減少が特徴的であることが分かりました。この細菌と血液中のLDL濃度(悪玉コレステロール)が相関していることも分かりました。大腸腺腫(前がん病変)および大腸癌の組織を用いて、癌に関連する409個の遺伝子変化を解析しました。その結果、肥満者の大腸腺腫および大腸癌に特徴的な遺伝子変化を複数同定することができました。今後はこれらの機能解析も含めた更なる包括的な解析を行い、肥満に関連した大腸発がんの発生機序を解き明かすことで、本病態の征圧に向けた新しい標的の探索を続けたいと考えています。
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