研究課題/領域番号 |
17K15924
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
人見 祐基 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (10525819)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ゲノムワイド関連解析 / 原発性胆汁性胆管炎 / 遺伝子多型 |
研究実績の概要 |
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、慢性進行性の胆汁鬱滞性肝疾患であり、胆管上皮細胞に対する自己免疫反応の関与が示唆されている一方で、その発症・進展機序は未だ不明なままである。 平成28年度中に、申請者らの研究グループは、疾患の罹りやすさに関連する遺伝子を網羅的に探索するゲノムワイド関連解析(GWAS)を用いて、HLAやTNFSF15など合計8ヵ所のPBC感受性遺伝子を同定した(Kawashima M et al, 2017)。 今年度は、上記GWASにて同定された日本人PBC感受性遺伝子の一つであるNFKB1/MANBAを対象に、発症に直接寄与する機能的遺伝子多型(causal variant)の同定、PBC発症機序の解明を目的として、以下に示す研究を併せて実施した。 まず、2,049例の全ゲノムDNA配列データ(東北大学東北メディカル・メガバンク機構が保有)を参照配列とするインピュテーション解析およびHigh-density association mappingのデータを利用し、PBC感受性との非常に強い関連(P < 1.0 × 10-7)を示す100ヶ所以上の一塩基多型(SNP)を検出した。さらに、in silico解析・in vitro機能解析を実施し、転写因子LEFの結合部位に存在するSNPであるrs17032850、および、転写因子RXRaの結合部位に存在するSNPであるrs227361をcausal variantとして同定するとともに、これらのSNPsに起因する発症メカニズムを解明した。e-QTL(発現量的形質遺伝子座)解析において、これらのSNPsと多数の遺伝子との間で、非常に強い相関が見られた。(論文投稿中)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り、日本人を対象としたGWASにて同定されたPBC感受性遺伝子の一部について、発症に寄与する機能的な遺伝子多型の候補の選定が完了するとともに、発症に直接寄与する機能的な遺伝子多型の同定・その遺伝子多型に起因する発症分子メカニズムの解明に至ったため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに我々の研究グループが報告した日本人のPBC感受性遺伝子について、機能的な遺伝子多型の候補からの絞込み、および、遺伝子多型に起因する発症分子メカニズムの解明をさらに推進するために、以下の解析を実施する。 1.すべてのPBC感受性遺伝子を対象としたin vitroの機能解析 2.遺伝子多型による遺伝子発現への影響を検討するためのeQTL解析 3.血清や末梢血単核球を用いた発現解析
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 使用予定だったオリゴの注文が次年度に延びたため。 (使用計画) オリゴを購入する。
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