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2018 年度 実績報告書

網羅的な遺伝子発現解析に基づく十二指腸上皮性腫瘍の発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15925
研究機関東京大学

研究代表者

坂口 賀基  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20791445)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード十二指腸上皮性腫瘍 / 網羅的遺伝子発現解析 / Wnt/βcatenin / GSEA
研究実績の概要

本研究では、微小生検検体から全RNAを抽出する方法の確立に成功し、計11症例の十二指腸上皮性腫瘍から高精度の全RNAの抽出を施行した。さらにこの得られたRNAに対してmRNA microarrayによる網羅的遺伝子発現解析を施行し、RT-PCRによる検証実験を通して、極めて正確な遺伝子発現結果が得られたことを確認した。今後消化管腫瘍に対する遺伝子発現解析を確実に行い得る実験系の確立に成功し意義が大きい。
この成果を踏まえ十二指腸上皮性腫瘍の網羅的遺伝子発現プロファイルに対するバイオインフォマティクス解析を施行した。主な実績として、Gene set enrichment analysisを通して十二指腸上皮性腫瘍における発現上昇遺伝子(Enrichment score 0.795, p値<10-5)、発現低下遺伝子(Enrichment score 0.801, p値<10-5)ともに大腸腺腫と極めて類似していることを初めて示した。またWnt/βcatenin pathwayが十二指腸上皮性腫瘍の形成に強く関与していることも初めて示した。
さらに、バイオインフォマティクス解析から得られた結果を免疫組織学的手法により検証した。上記とは独立した20症例の十二指腸腺腫と30症例の大腸腺腫症例に対して、それぞれ同条件にてβcatenin免疫染色を施行した。その結果、十二指腸腺腫・大腸腺腫でβcatenin陽性率が80.0%/86.7%とほぼ同等であることが確認され、バイオインフォマティクス解析から得られた結果が他手法でも再現されることを確認した。
結論として、十二指腸腺腫と大腸腺腫が遺伝学的に極めて類似しており、同様のWnt/βcatenin pathwayを介する発癌メカニズムを有する可能性が強く示唆された。我々はバイオインフォマティクス解析という手法によりこれを世界に先駆けて示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of marker genes and pathways specific to precancerous duodenal adenomas and early stage adenocarcinomas2019

    • 著者名/発表者名
      Sakaguchi Y, Yamamichi N, Tomida S, Takeuchi C, Kageyama-Yahara N, Takahashi Y, Shiogama K, Inada KI, Ichinose M, Fujishiro M, Koike K
    • 雑誌名

      J Gastroenterol.

      巻: 54(2) ページ: 131-140

    • DOI

      10.1007/s00535-018-1489-4

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 網羅的遺伝子発現解析による十二指腸上皮性腫瘍における腫瘍化メカニズムの解明2018

    • 著者名/発表者名
      坂口賀基、山道信毅、冨田秀太、竹内千尋、高橋悠、小池和彦
    • 学会等名
      第104回日本消化器病学会総会

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公開日: 2019-12-27  

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