研究課題
研究代表者は 1. 肝炎ウイルス制御下における肝発癌・進展に関わるゲノムプロファイルの網羅的解析 2. HBV integrationをゲノム編集により導入したiPS細胞の樹立とこれを用いた癌形質獲得について細胞生物学的解析 3. HBx蛋白と宿主ゲノム異常及びHBV integrationとの相互関係の解析を行い本年度の実績として下記を得た。1. 肝細胞癌患者由来検体204例の癌部と非癌部のDNAを用いてdeep sequenceを行い16遺伝子280か所の遺伝子変異を同定した。HBV既感染50例の癌部におけるHBV integrationは6例22か所で検出された。HBV integrationが検出された6例はHCV抗体陰性、若年で発症し6例中3例は正常肝からの発癌でありHBV持続感染と同様の発癌機序の可能性が考えられた。2. 前項の検討で得られたHBx遺伝子とTERT locus breakpointsを再現してHBxコンセンサス配列を入れたコンストラクトを合成し薬剤選択遺伝子をloxP配列で除去しうる系を組み込んだtargeting vectorを作成した。Crispr/Cas9系を利用してヒトiPS細胞株のTERT promoter領域へHBx配列の組み込みを導入中である。3. 野生型のTERT promoter配列に臨床検体で認められた2種類の変異を導入したレポータープラスミドを作成し、HepG2細胞および293T細胞へ遺伝子導入し、レポーターアッセイを行い、2種の細胞株でTERT promoter活性は変異型で上昇した。次に前述のプラスミドとHBx蛋白を発現するプラスミドを2種の細胞株へ遺伝子導入し、HBx発現によりTERT mRNA, 蛋白発現ともに上昇することを確認した。以上からHBxはTERT promoter活性上昇に関与することが示唆された。
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