研究課題
本研究では、NASH肝発癌におけるレチノイド核内受容体RXRαの関与を明らかにすることで新規NASH肝癌治療薬を開発することを最終目標としている。始めに、RXRα遺伝子改変マウスと対象マウスに高脂肪食を投与することによって肝脂肪化に及ぼす影響について検討を行った。具体的には4週齢より高脂肪食を3週間投与し、7週齢における体重、肝酵素(ALT)、肝脂肪化(脂肪肝の有無)について検討を行った。RXRα遺伝子改変マウス群と対照群では体重に有意な差を認めなかった。しかし、肝酵素(ALT)は遺伝子改変マウス群において有意に上昇しており、また、肝脂肪化についても対照群と比較して明らかな脂肪沈着(脂肪肝) の所見を認めた。さらに、遺伝子改変マウス群と対象群に糖負荷試験を行い耐糖能異常の有無について検討を行ったところ、遺伝子改変マウス群は対照群と比較して糖負荷後の高血糖が遷延していた。以上の結果から、RXRα遺伝子改変マウスは脂肪肝や耐糖能異常を示し、メタボリック症候群のモデルマウス、ひいては非アルコール性脂肪肝疾患のモデルマウスと成り得ることが明らかになった。
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Oncotarget
巻: 9(74) ページ: 33972-33981
10.18632/oncotarget.26119