肝細胞癌は慢性肝炎~肝硬変を背景に発生することが知られているが、炎症からの肝発癌メカニズムは未だ十分明らかではない。本研究では、炎症により肝細胞に惹起されるDNA修復異常が肝発癌に果たす役割・機序を明らかにすることを目的とした。 まず肝培養細胞に対して各種炎症性サイトカイン刺激を行いDNA修復関連遺伝子の発現変化を解析したところ、塩基除去修復に重要なUNGの遺伝子発現が低下していた。さらに、ヒト慢性肝炎および肝硬変の臨床検体においても同様にUNGの遺伝子発現が有意に低下していた。また、UNG mRNAの発現制御には炎症に伴うmicroRNA-18aの発現亢進が関与している可能性が示唆された。
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