研究課題
若手研究(B)
本研究は、発癌率が高率であることが既に明らかにされている早期胃癌内視鏡治療後の異時性多発癌の発生予測因子としてmicroRNA発現異常の有用性を検討することを目的とする。多発胃癌患者とコントロール患者の非腫瘍背景胃粘膜より生検を行い、microRNAを抽出し、同時に血清保存を行った。2群間の萎縮に程度、ペプシノゲン値、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌歴の有無などを比較検討した。今後さらにmicroRNA発現プロファイルを検討し、異時性多発癌の発生予測因子として有用なmicroRNAを同定する。
消化器癌
本研究により、胃癌多発発生予測因子としてmicroRNAを同定することが可能であった場合には、今後も増加していくことが予想される早期胃癌内視鏡治療後の患者のサーベイランスの方法を患者ごとに設定することが可能となり、リスクに低い患者にとっては、不必要な検査を避け、医療費の低下につながりうること、リスクの高い患者にとっては、多発胃癌の早期発見につながり、最終的な臓器温存や生活の質の維持に寄与すると考えられる。