研究課題
レンバチニブの投与を行った進行肝癌41症例を対象とした。治療開始前の臨床背景および22種類の血清サイトカインをルミネックスアッセイにより測定し、副作用、Relative dose intensity(RDI)、および治療効果との関連を解析した。2週間ごとのRDIを比較したところ、1-2週と比して3-4週でのRDIが有意に低下することが分かった(p<0.001)。特に3-4週のRDIが70%以上の症例の無増悪生存期間が3.8ヶ月(95% CI, 2.8-NA)に対し、70%未満の症例は1.7ヶ月 (95% CI, 1.1-2.9)と、有意に短いことが分かった(p=0.004)。3-4週のRDIが70%未満となった原因を調べたところ、グレード3以上の副作用によるものが多く、中でも肝胆道系障害が5名で最も多かった。3-4週のRDIが70%未満となった症例は、Albが低値、AST、AFP-L3、DCPが高値であった(p<0.05)。また、9個のサイトカイン(IL1 RII、VEGF R3、HGF-R、Neuropilin 1、PDGF BB、FGF23、HGF、VEGF-D、Fas Ligand)による症例層別化は、無増悪生存期間の予測に有用であった。RDIが低くなると予測される症例にはより早期に内服量や方法の工夫をすることでよりよい治療成績が得られる可能性があると考えられた。上記結果については学術誌、Therapeutic Advances in Medical Oncologyに報告した(2020 Apr. in press)。また、これらの症例のうち、20症例のレンバチニブ開始前および開始2週間後の腫瘍循環DNA(circulating tumor DNA: ctDNA)の解析は現在進行中であり、得られた結果については学会や学術誌での報告を予定している。
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Therapeutic Advances in Medical Oncology
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