肝癌細胞において抗癌剤と放射線の併用によりアポトーシス増強による相乗効果が確認された。シスプラチン及びDPCのいずれにおいてもHuH-7の生存率は用量依存的に低下したが、DPCのIC50が低値であった(1.0 vs 2.0μM)。同様にHepG2に対するIC50はそれぞれ3.6μMと6.6μMでありDPCで低値であった。X線単独照射では、いずれの細胞も線量依存的に生細胞数が減少し、両細胞ともED50は5Gyであった。DPCとX線の併用ではcombination indexは1未満であり相乗効果を認めたが、CDDPでは相乗効果を認めなかった。抗癌剤単独群では用量依存的に、X線単独群でも線量依存的にcleaved PARP発現が増加したが、併用群ではさらに強くその発現が増加した。アポトーシス関連蛋白ではPUMAの発現が増加した。以上より、ミリプラチンとX線の併用は肝癌細胞に対して相乗効果を有することが示唆され、その機序としてPUMAを介するアポトーシスが推定された。
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