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2017 年度 実施状況報告書

細胞外ATPによる肝星細胞の活性化、肝線維化進展機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15952
研究機関愛媛大学

研究代表者

吉田 理  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (70746809)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード肝線維化 / 肝星細胞 / 細胞外ATP / P2X7
研究実績の概要

細胞障害時に細胞内から放出されるATPは、細胞外ではDAMPsのひとつとして働き、種々の免疫担当細胞を活性化する。P2X7は細胞表面に発現し、P2X7が細胞外ATPの主たるレセプターと考えられている。さらに、マクロファージや樹状細胞ではP2X7を介した細胞外ATPによる刺激は、インフラマソームを動員し、IL-1βやIL-18などの炎症性サイトカインの産生、炎症の形成に深く関わる。本研究では、細胞外ATP/P2X7/インフラマソーム経路が肝星細胞活性化と肝線維化進展に関与することを明らかにすることを目的に研究を行う。さらに、P2X7阻害をターゲットとした肝臓における抗線維化治療の確立を目指す。
肝星細胞株(LX-2)を用いた実験:LX-2に細胞外ATPのレセプターであるP2X7が発現することをRT-PCR、ウェスタンブロットにて確認した。また、TGF-βを介するLX-2の活性化をATPが増強することin vitroの実験にて見出した。LPS刺激により、LX-2がIL-1βを産生することを見出したが、インフラマソームの一つであるASCの増加はみられなかった。また、TGF-β刺激、ATP刺激においてもインフラマソームの発現増は確認できていない。
マウスを用いた実験:マウスに四塩化炭素(1μL/g body weight、3回/週×10週間)を投与することで肝線維化が誘導されることを確認した。また、マウス肝臓から肝星細胞を分離する手技は確立した。さらに、Jackson labからP2X7ノックアウトマウスを入手し、現在繁殖を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Jackson Labに依頼したP2X7ノックアウトマウスの凍結胚細胞からの作成に時間がかかったため。

今後の研究の推進方策

肝星細胞株を用いた実験では、LX-2のみならず、他の細胞株(HHSTeC)にてもP2X7の発現と、細胞外ATPにによる肝星細胞活性化の増強を検討する。さらに、SiRNAもしくはCRISPER-CAS9を用いて、肝星細胞のP2X7発現を低下させ、肝星細胞の性質、コラーゲン産生能に変化がみられるかを検討する。インフラマソームの発現に関しては、プライマーを変更するとともに、他の分子(NLRP3)についても検討対象とする。
マウスを用いた実験では、P2X7ノックアウトマウスの数が順調に増えてきているため、P2X7ノックアウトマウスを用いた実験を開始する。P2X7ノックアウトマウスに四塩化炭素を投与し、肝線維化を誘導し、野生型マウスと線維化の程度の差を比較する。また、P2X7ノックアウトマウスの肝臓から肝星細胞を分離し、機能解析を行う。さらに、四塩化炭素による肝線維化モデルにP2X7阻害剤を投与し、P2X7阻害による抗線維化治療の可能性を模索する。

次年度使用額が生じた理由

P2X7ノックアウトマウスの納入と繁殖が遅れたため、研究が全体的に遅れてたため。平成30年度はP2X7ノックアウトマウスのin vivoとin vitroの実験を行う。研究費は肝星細胞分離と培養実験の試薬の購入に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 肝形質細胞様樹状細胞による肝移植免疫寛容の誘導2017

    • 著者名/発表者名
      吉田理
    • 学会等名
      肝類洞壁細胞研究会

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公開日: 2018-12-17  

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