研究課題
(1)肝星細胞におけるP2X7の発現とATP刺激による活性化:ヒト肝星細胞株のLX2においてP2X7の発現をRT-PCRとWestern blottingにて確認した。しかし、ATP単独刺激、TGF-βとATPの共刺激にて、LX2細胞の活性化は確認できなかった。(2)肝線維化におけるP2X7の役割:P2X7ノックアウトマウスと野生型マウスにCCL4を投与し、肝線維化マウスを作成した。両マウス共に肝臓の線維化がみられたが、P2X7ノックアウトマウス、野生型マウスの間に肝線維化の程度の差は見られなかった。また、線維化肝におけるコラーゲン1、αSMAの遺伝子発現量をRT-PCRにて比較したが、P2X7ノックアウトマウス、野生型マウスの間に差は見られなかった。また、P2X7ノックアウトマウス、野生型マウスから肝星細胞を分離し、ATP、TGF-β、LPSで刺激したが、肝星細胞のコラーゲン1、αSMAの遺伝子発現量に差は見られなかった。(3)細胞がATP、P2X7をターゲットとした治療法の開発:in vitro、in vivoの実験において、肝線維化、肝星細胞の活性化におけるP2X7、ATPの役割を有意差をもって証明できなかった。(4)肝星細胞の活性化におけるProtein Kinase R(PKR)の役割:自然免疫、細胞増殖に関わる酵素であるPKRの発現を検討した。肝星細胞はTGF-β、LPS刺激時にPKR発現が増強し、阻害剤、siRNAによる発現抑制にて星細胞の活性化が抑制されることを明らかにした。また、肝星細胞のPKRが肝細胞癌の増殖を促進することを明らかにした。
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PLOS ONE
巻: 14 ページ: e0212589
10.1371/journal.pone.0212589