内視鏡的に採取された大腸腫瘍を対象として、多発大腸がん症例の腫瘍部、背景正常粘膜の全エクソンシークエンス、全トランスクリプトーム解析を施行した。 全エクソンシークエンス解析から、多発大腸がん症例のがん部、背景正常大腸粘膜に共通する変異として、遺伝子Aを同定した。同定した遺伝子Aの一塩基多型をパイロシークエンサーを用いて検討したところ表面型腫瘍および多発大腸がんと極めて高い相関を示すことを見いだした。また、全トランスクリプトーム解析から、遺伝子Aの遺伝子型によって正常大腸粘膜で発現が異なる遺伝子272個を抽出し、Gene Ontology解析で免疫システム・免疫応答と高い相関を示すことが判明した。
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