鋸歯状腺腫(TSA)の発育進展に関わる遺伝子を同定し、臨床病理学的および分子生物学的特徴を明らかにすることを目的とした。Infinium HumanMethylation450アレイによるDNAメチル化解析を行い、鋸歯状病変のうちTSA特異的にメチル化する遺伝子としてSMOC1を同定した。RT-PCRおよびIHC解析の結果、正常組織およびSSA/Pと比較してTSAで有意なSMOC1発現低下が認められた(P<0.001)。以上よりSMOC1はTSAにおいて高頻度にメチル化しており、TSAの発育進展に関与する可能性が示唆された。SMOC1発現は、鑑別困難な鋸歯状病変の診断に有用であると考えられた。
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