本年度は作製したCXCR4マクロファージ特異的コンディショナルノックアウトマウス(CXCR4 cKOマウス)から採取した骨髄から骨髄由来マクロファージ(BMM)を分化誘導させ、オレイン酸 0.15mMまたは0.75mMの刺激によってCXCR4依存的なマクロファージの活性化ならびに炎症促進作用が引き起こされるかを検証した。 培養したBMMに対し、BSA conjugated Oleic acid(OA)を0.15mM、0.75mM添加し、同時にCXCR4阻害剤であるAMD3100およびリガンドであるSDF-1を添加して48時間培養したのち、タンパク画分を抽出した。 Cleaved Caspase-1がAMD3100を添加したOA 0.15mMおよび0.75mMにおいて、OAを添加していないコントロール群を比較して強い発現が認められた。発生したためCXCR4 cKO BMMにおいて、Cleaved Caspase-1の増加がみられたことから、CXCR4 cKO BMMにおいてインフラマソームの活性化が誘導されていることが示唆された。 続いて、OA添加下におけるCXCR4阻害剤がインフラマソームの活性化に特異的に寄与するかどうかを明らかにするために、肝臓における実質細胞モデルとしてヒト肝癌由来細胞株であるHepG2を用いて同様に実験を行った。OA添加したAMD3100群においては0.15mM、0.75mMの両群においてSDF-1添加群およびコントロール群と比較してCleaved Caspase-1の発現が増加し、インフラマソームが活性化されたことが示唆された。 これらの結果から、肝マクロファージおよび肝実質細胞におけるCXCR4は阻害されることによってインフラマソームの活性化を促進することが明らかになった。
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