ディープラーニングを用いて、大腸病変の検出支援を行うソフトウェアを構築するため、内視鏡検査動画を集積しデータベースを構築した。すべての動画に対してポリープが映っているか、いないかをタグ付けする作業(アノテーション)を実施した。計約20万フレームの画像に対してアノテーションを実施し、ディープラーニングで学習した。このシステムでテスト用の動画を評価したところ、感度90%、特異度63%で病変の自動検出が可能であった。本結果はArtificial Intelligence-Assisted Polyp Detection for Colonoscopy: Initial ExperienceというタイトルでGastroenterology誌に2018年6月掲載された。 本研究は、内視鏡動画を学習することで、大腸病変の自動検出ソフトウェアを構築できる可能性を示している。この結果に基づき、現在市販に向けて大腸内視鏡の動画データベースを拡充し、ソフトウェアのブラッシュアップを継続している。現時点でさらに高い精度のソフトウェア開発に成功している。このようなソフトウェアが薬事承認され一般に普及することができれば、大腸の前がん病変の見逃しを防ぐことにつながり、大腸がん死を減らすことが期待される。
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