研究課題
平成29年度は、超拡大内視鏡endoytoscopyを用いた、コンピュータ自動診断システムの開発を主に行った。プログラムの作成は18000枚以上の内視鏡画像と対応する病理情報をサンプルとして、作成した。完成したシステムは実際の内視鏡と診断コンピューターが完全に同期して接続されているシステムであり、内視鏡検査中のリアルタイム補助診断(診断所要時間0.2秒)を可能とするものである。なお、プログラム作成直後に行った、予備的診断能検証においては、組織学的炎症/寛解の鑑別では感度74%, 特異度97%, 正診率91%、であった。現在その結果を英文論文とし投稿中である。その後プログラムの修正および学習画像の集積をし更に高精度診断が可能となっている。現在、昭和大学横浜市北部病院の倫理委員会承認の下、本システムの診断精度を臨床試用中である。臨床応用にむけて、問題点の洗い出しを行っている。本研究では先行研究では成し得なかった、感度95%以上を実現すべく人工知能(AI)を利用することに着想し研究を開始した。平成30年度は、更なる学習画像の集積とプログラムの修正により更なる診断精度、特に感度の向上を目指す。
2: おおむね順調に進展している
研究計画において、平成27年度目標としていたコンピュータ自動診断システムの開発が予定どおり終了し、システムの検証目的の評価試験を平成28年1月から始めることができた。現在その結果を英文論文とし投稿中である。その後プログラムの修正および学習画像の集積をし更に高精度診断が可能となっている。現在、昭和大学横浜市北部病院の倫理委員会承認の下、本システムの診断精度を臨床試用中である。学習画像は4月末日で23000枚の集積をしている。6月中には学習画像30000枚の集積が達成が予想され、7月を目途に前向き試験を開始予定とし、現在はその試験プロトコールの作成を行っている。
次年度(研究最終年度)については、自動診断システムの精度検証の研究結果の英文誌アクセプトを目指すとともに、国内外の学会にて本研究についての学術発表を行う予定である。診断精度向上のため、人工知能を機械学習させるための内視鏡画像の更なる集積および、プログラムの修正を行う。また、7月からは臨床応用に向けて問題点の洗い出しを目的とし、単施設の前向き試験を開始する予定である。
次年度使用額が生じた理由としては、先行研究で使用していたアルゴリズムで期待していたよりも良い成績がでたため、新たにプログラムを作り直す費用がかからなかったこと、また、海外学会の参加旅費など一部の研究費の精算が終了していないためである。次年度は自動診断システムのプログラム修正のため、頻回の機械学習が必要であること、また、学習画像枚数が増えてきたため、現在のコンピューターでは対応できなくなったため、高性能のコンピューターの購入が必要である。更に、修正内容によっては外注が必要でありその謝金が必要となる。また研究成果の海外学会への参加や論文の英文校正やオープンアクセスに使用する予定である。
すべて 2018 2017
すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)