研究課題/領域番号 |
17K15980
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
鹿原 真樹 旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (20596267)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 血管生物学 / 毛細血管 / 血管新生 |
研究実績の概要 |
毛細血管は内皮細胞からなるチューブの外側を周細胞が覆い、安定した構造となる。この周細胞の一部は多分化能を持ち、各種病態に影響していることが報告されている。申請者らは独自に樹立したマウス細胞株を利用し、多分化能をもつ周細胞に特異的な細胞表面マーカーを同定した。この特異的マーカーに対する抗体を用い、マウス正常組織から多分化能をもつ周細胞の分離に成功した。また、樹立したマウス細胞株のうち多分化能の異なる複数の細胞群を用い、網羅的遺伝子発現解析を行った。その結果、多分化能と連関すると考えられる候補因子を複数見出した。そこで特異的マーカー陽性周細胞に対し、これらの候補因子についてin vitroでの分化能スクリーニングを行った。その結果、多分化能をもつ周細胞においてその発現量が低い特定の新規因子に着目した。 本申請研究では、スクリーニングで見出したこの因子に対して「微小血管周細胞の多分化能を制御する新規因子の機能解析を行う」ことを目的とし、実験を行っている。この目的を達成するために、事前に以下の3つの目標を立てた。 目標Ⅰ 多分化能をもつ周細胞の血管形成能に与える新規因子の作用解析、目標Ⅱ 多分化能をもつ周細胞の間葉系幹細胞・神経幹細胞様分化能に与える新規因子の作用解析、目標Ⅲ マウス下肢虚血肢での多分化能をもつ周細胞の作用に与える新規因子の役割解析 上述のように、in vitro/ in vivoでの解析を行い、病態改善効果に及ぼす新規因子の影響を検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度以降の計画としては、前年度までの研究(目標Ⅰ・Ⅱ)と並行して目標Ⅲを開始することとしていた。目標Ⅰ・Ⅱについては概ね順調に推移しているが、目標Ⅲについては一時的な研究の中断もあり、開始がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は in vivoでの実験をすすめ、虚血組織における新規因子の作用を解明していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の中断により次年度使用額が生じた。次年度以降は、in vivoでの実験をすすめ、虚血組織における新規因子の作用を解明していく。
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