血管内皮は内皮由来弛緩因子(EDRF)を産生し血管の収縮性を調節しており、微小血管では主に内皮由来過分極因子(EDHF)が生理的調節を担っていることから、微小血管狭心症の病態機序にEDHFを介した弛緩反応の障害が関与しているとの仮説の下、既に微小血管狭心症と診断されている患者を対象に検討を行った。 指尖細動脈の拡張反応をEndo-PATで測定すると、ブラジキニンに対する内皮依存性拡張反応は患者でほぼ消失していた。 また、EDRFのうち一酸化窒素とEDHFによる内皮依存性拡張反応が顕著に低下していることを見出した。微小血管狭心症は全身性の微小血管内皮機能障害の一部を反映している可能性が示唆された。
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