我が国で増加傾向を示す慢性心不全患者に対する治療はこの20年間で大きな進歩を遂げている。特に心臓収縮能が低下したことにより生じる心不全には心筋保護作用を有する薬剤により大幅に改善してきた。しかし、心不全には心筋収縮能低下を原因とするものに加えて心線維化により心臓の拡張能が障害されることを原因とする病態が存在することが明らかとなっている。心臓拡張障害は独立した生命予後増悪因子であるにも関わらず現在でも有効な治療法はなくその生命予後はほとんど改善していない。 本研究において我々が明らかにした知見は、心臓線維芽細胞活性化を抑制することで心線維化に対する新たな治療法開発への一助となる可能性がある。
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