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2019 年度 実績報告書

新規ミトコンドリア関連分子USMG5が拡張型心筋症の発症進展に与える機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15995
研究機関金沢大学

研究代表者

永田 庸二  金沢大学, 医学系, 協力研究員 (50632478)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードミトコンドリア / 拡張側心筋症
研究実績の概要

拡張型心筋症の原因として心筋サルコメア遺伝子異常との関連は認められているが、拡張型心筋症の進行する過程において、ATP利用障害が大きく関与していることが報告されている。我々は、ATP産生にかかわる因子であるUSMG5遺伝子に注目し、ATPと拡張型心筋症の発症進行機序にどのように関わるかについて、ゼブラフィッシュ、neonatal mouse cardiomyocyteを用いて検討した。
前年度までに、ゼブラフィッシュ胚を用いた研究において、USMG5遺伝子をノックアウトすることにより、心房拡大と心嚢水貯留が観察されたことから、USMG5は心不全と深く関連がると考えられた。USMG5遺伝子をノックアウトしたマウス心筋細胞内の細胞内シグナリングについて検討するために、SiRNAを用いてneonatal mouse cardiomyocyteでのUSMG5遺伝子を一過性にノックアウトし、網羅的遺伝子解析を行った。カルシウム調節因子や筋収縮に関連した因子はダウンレギュレーションしたのに対し、アポトーシスやFGF、TGFβなどのサイトカインシグナルパスウェイがアップレギュレートしていた。それら結果を受け、本年度は細胞内情報伝達に関して検討を行った。、特に、アポトーシスや増殖、オートファジーに関連するMAPキナーゼとの関連について、ウェスタンブロット法を用いて検討した。ERK、P38、JNKのリン酸化を検討し、USMG5をノックアウトすることにより、ERKとP38のリン酸化は、コントロールと比較して優位な変化は認められないものの、JNKのリン酸化は優位に上昇していた。
これらの結果から、心筋細胞内ではATP産生低下による心不全発症の機序として、JNKカスケードが重要な因子として考えらた。JNKカスケードの抑制は、心不全増悪に対する新たな治療標的になることが考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Impact of functionalstudies on exome sequence variant interpretation in early-onset cardiacconduction system diseases.2020

    • 著者名/発表者名
      Hayashi K, Teramoto R, Nomura A, Asano Y, Beerens M, Kurata Y, Kobayashi I, Furusho H, Onoue K, Chiang DY, Kiviniemi TO, Buys E, Sips P, Burch ML, Zhao Y, Kelly AE, Takeda Y,Konno T, Inoue M, Fujita T, Kato T, Tada H, Nagata Y, Cui S, Saito Y, MacRaeCA, Takashima S, Yamagishi M, Kawashiri MA, Takamura M. et al.
    • 雑誌名

      Cardiovasc Res.

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1093/cvr/cvaa010.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Functional analysis of KCNH2 gene mutations of type 2 long QT syndrome in larval zebrafish using microscopy and electrocardiography.2019

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Y, Hayashi K, Fujino N, Konno T, Tada H, Nakanishi C, Hodatsu A, Tsuda T, Nagata Y, Teramoto R, Yoshida S, Nomura A, Kawashiri MA, Yamagishi M.
    • 雑誌名

      Heart Vessels.

      巻: 34(1) ページ: 159-166

    • DOI

      10.1007/s00380-018-1231-4.

    • 査読あり

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公開日: 2021-01-27  

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