研究実績の概要 |
急性冠症候群患者の性格(エゴ)評価 目的:様々な疾患で患者の性格(エゴ)が行動変容や予後に関係することが報告されているが、急性冠症候群(ACS)のエゴはこれまで検討されていない. 方法:2016年7月~2017年2月,急性冠症候群(ACS)で鳥取大学医学部付属病院循環器内科に入院した患者30名に東大式エゴグラムを用い親のエゴ(Critical Parent; CP, Nurturing Parent; NP),大人のエゴ(Adult; A),子どものエゴ(Free Child; FC, AC; Adapted Child)を評価した. 結果:対象患者(平均年齢68±12歳,男性は26名)のうち不安定狭心症:7名(23.3%),急性心筋梗塞:23名(76.7%)であった。各エゴ(パーセンタイル,中央値(四分位範囲))はCP: 65 (47-81), NP: 57 (38-72), A: 52 (32-89), FC: 64 (33-81), AC: 27 (8-59)で ACが他のエゴに比べて有意に低値であった(p<0.05).AC低値は相手の考え気持ちを認識できず、自己中心的、非協調的な対人関係をとる幼さが特徴である. 結語:ACS患者の性格はACの低さが特徴であり、子どもの自我が行動様式に影響している可能性が示唆された.
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