心不全の発症や進行に交感神経活動の亢進が大きく関与しており、交感神経活動の調節には脳内のレニン・アンジオテンシン系が重要な役割を持つ。特に、レニン・アンジオテンシン系を調節する酵素であるレニンには細胞内レニンと分泌型レニンの2種類があり、本来脳内には細胞内レニンが多く存在していることが近年明らかになった。本研究では、心不全モデルラットにおいて脳内レニンの調節異常(細胞内レニンの低下と分泌型レニンの増加)が関与しているかを検討し、交感神経活動を規定する重要な脳の部位において、細胞内レニンは低下せず分泌型レニンが増加していることを明らかにした。
|