研究課題
当院における冠動脈疾患患者における機能的虚血評価の証明方法として、QFRの診断能がどれくらいあるかをまずは検討した。FFRmyoを機能的虚血診断のゴールドスタンダードとして、冠動脈疾患患者を対象にQFRとFFmyoを比較検討した。過去の文献と同様に、当院での臨床的な後ろ向き解析結果においてもQFRとFFRmyoが良好に相関し、実臨床においても使用できることは確認し、研究論文として3つ報告し作成した。その上で、今回の研究対象である高度石灰化病変における虚血評価もおこなった。高度石灰化病変においてFFRmyoとQFRが乖離しているか否かの検討については、非石灰化病変と同様に石灰化病変においても両者の相関と一致は良好であることは確認できた。しかしながら、つぎの研究課題であるEDMPやPDMPに関しては、石灰化病変を有する患者において、EDMPおよびPDMPがQFRおよびFFRmyoと相関しているか否かについての検討は、研究に必要な十分な検体数が得られず、評価できなかった。その理由として、実臨床において、充分な内腔径を有する吸引カテーテルを狭窄遠位部に挿入し、吸引カテーテルを用い狭窄病変遠位部の冠動脈血を丁寧に採取する処置がかなり侵襲的であり、患者の状態を考慮したとき、安全におこなうことが困難であったこともあげられた。上記のため、本研究は期限内に予定通りの検体数を測定することができなかった。
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すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
JACC: Cardiovascular Interventions
巻: 12 ページ: 2050~2059
10.1016/j.jcin.2019.06.043