心臓前駆細胞誘導因子による新しい心筋誘導法の確立と分子機序解明

2019 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 17K16024
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 循環器内科学
• 研究機関: 筑波大学 (2018-2019); 慶應義塾大学 (2017)
• 研究代表者: 礒見 まり 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (60748490)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 心臓再生

研究成果の概要

本研究では心臓前駆細胞誘導因子として同定されたTbx6を用いて液性因子を用いずに遺伝子発現のみで心筋前駆細胞を誘導する方法を確立した。この方法により従来の液性因子を使用する方法よりも低コストかつ安定的な作製が可能になった。さらに本法では前駆細胞を誘導するため心筋細胞のみならず血管内皮細胞・血管平滑筋細胞の作製も可能な画期的な方法である。またこれまで不明であった心臓前駆細胞分化の分子メカニズムの解明にも成功した。

自由記述の分野

再生医療

研究成果の学術的意義や社会的意義

現在広く用いられている心筋誘導法は複数のサイトカインや化合物を使用するが、高コスト、工程が煩雑、分化メカニズムも不明などの課題があった。本研究で開発した方法はTbx6のみの発現で心臓前駆細胞を選択的に誘導することが可能なため、従来法と比較して安価かつ簡便な方法である。これらのことから今後の再生医療に大きく貢献することが予想される。