研究課題
慢性血栓塞栓性肺高血圧症 (chronic thromboembolic pulmonary hypertension: CTEPH)は肺血栓の器質化によって発症する肺高血圧症である。CTEPHの生命予後は肺血行動態に依存し、既存の治療だけでは限界があることから、新しい治療法の開発が求められている。現在、新しい治療法の開発の糸口として肺血栓が器質化する機序に関する研究が注目されているが、肺血栓が器質化する前段階である慢性肺血栓塞栓症の発症機序が不明であり、研究は未発達のままである。本研究では、共同研究者の研究報告と臨床研究から慢性肺血栓塞栓症の発症には線溶系異常と内皮機能障害の双方が必要であるという仮説を立て、本仮説を検証することを目的とする。さらに、本仮説をもとに作成した慢性肺血栓塞栓症の病理組織や遺伝子発現の解析によって慢性肺血栓塞栓の発生機序を解明し、CTEPHの病態解明や新しい治療の開発に繋げる。目標達成のために、本研究では「計画1: 線溶系異常および内皮機能障害マウスを用いて慢性肺血栓塞栓症を作成する、計画2: 慢性肺血栓塞栓症を免疫組織化学的に解析する、計画3: 慢性肺血栓塞栓症の遺伝子発現を解析する」を施行する。
4: 遅れている
計画1:線溶系異常および内皮機能障害マウスを用いて慢性肺血栓塞栓症を作成することに難渋し、時間を要した。
線溶系異常および内皮機能障害マウスを用いて慢性肺血栓塞栓症を作成する。慢性肺血栓塞栓症を作成したマウスを解析する。慢性肺血栓塞栓、非閉塞部位の肺動脈、右室の肺病理組織に免疫組織染色を行い、血栓の性状や血栓周囲組織、非閉塞部位の肺動脈、右心室の炎症を評価する。慢性肺血栓塞栓症の遺伝子発現の解析をDNAマイクロアレイにてを行う。慢性肺血栓塞栓症の慢性肺血栓と新鮮血栓を比較し、慢性肺血栓塞栓症の発生と相関する遺伝子群を明らかにする。
現在、線溶系異常および内皮機能障害マウスを用いて慢性肺血栓塞栓症を作成することに難渋し時間を要しているため、使用額が予定されていた額まで使用していない。次年度、線溶系異常および内皮機能障害マウスを用いて慢性肺血栓塞栓症を作成する。慢性肺血栓塞栓症を作成したマウスを解析する。慢性肺血栓塞栓、非閉塞部位の肺動脈、右室の肺病理組織に免疫組織染色を行い、血栓の性状や血栓周囲組織、非閉塞部位の肺動脈、右心室の炎症を評価する。慢性肺血栓塞栓症の遺伝子発現の解析をDNAマイクロアレイにてを行う。慢性肺血栓塞栓症の慢性肺血栓と新鮮血栓を比較し、慢性肺血栓塞栓症の発生と相関する遺伝子群を明らかにする。これらの実験計画に基づいて、次年度使用額を使用する。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (4件)
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