本研究の学術的意義は組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)に関連した線溶系異常と一酸化窒素合成酵素(NOS)障害に関連した内皮障害の双方を有していても、慢性肺血栓塞栓症のモデルマウスを作成することが困難であったことを示したことである。また、異物に対する内皮機能であるAngiophagyの研究を肺血管内皮細胞で試みたことにも学術的意義がある。慢性肺血栓塞栓症のモデルマウスの作成やAngiophagyと慢性肺血栓塞栓症の関連を示すまでに現時点で至らなかったことから、本研究の社会的意義の判断は難しい。
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