研究課題
若手研究(B)
これまでの研究により疾患群と健常人のMUC4 exon2の長さが有意差を持って異なることをSouthern blottingの技法を用いて明らかにした。また、現時点で数名の患者、および健常日本人でMUC4の全塩基解析を完了している。複数のヒトで保存されている領域と、多型が多く見られる部位に分かれることがわかってきている。今後はこのシークエンスを継続して行い、疾患関連塩基配列を同定していく予定である。
肺癌、間質性肺炎、遺伝子工学
本研究で明らかになる遺伝子多型は、切除不能EGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんに対して劇的な効果が期待されるはずのEGFRチロシンキナーゼ阻害剤を投与後に、不幸にも発症してしまう致死的間質性肺炎に関連するものである。まだその遺伝子多型の完全な同定には至っていないが、今後解析を続けることによって遺伝子多型が同定できれば、致死的な間質性肺炎の発症を事前に回避、または予測できるようになると思われ、不幸な転帰を辿る患者さんを減らすことにつながると考えられる。