研究課題/領域番号 |
17K16056
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
長島 広相 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10611014)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 気管支喘息 / IL-24 / IL-10 / トファシチニブ |
研究実績の概要 |
IL-24 について現在に至るまで気管支喘息の病態生理に関する報告はされていない。そこで本研究では、IL-24が気管支喘息患者の気道リモデリングに果たす役割を検討した。IL-24がこれまでの知見から血管新生阻害作用があると考えられ、リモデリングの抑制効果を持っている可能性が推測される。またIL-13受容体抗体が現在喘息の治療として上市されており、IL-13を複数の濃度に調整して、気管支線維芽細胞に加えて、産生されるIL-24の量に影響を与えるかどうかを測定した。何回か測定を行い、IL-13の濃度を検討し最終では、0ng/mlから1.5μg/mlの濃度で投与した。実験ではIL-13とIL-24の量について明らかな相関性は認めなかったが、IL-13の最大濃度投与時にIl-24の産生量が最大になっており、もう少し濃度や実験方法を検討することとした。また今回、喘息のリモデリングに対しての治療について新たな知見を得るための実験も開始した。JAK阻害剤の一つであるトファシチニブによるTh2サイトカインや炎症性サイトカインの抑制効果が示されており,関節リウマチ、好酸球増多症候群、気管支喘息、他の血管炎などに対するトファシチニブの効果が報告されている.しかしながら気管支喘息への機序はいまだ未解明なところが多く、今回トファシチニブとIL-24及びIL-10の関係について検討した(IL-24はIL-10のファミリーである)。実験はOVA吸入した喘息モデルマウスを使用した。喘息モデルマウスは非喘息モデルマウスにくらべIL-10及びIL-24の値は低い傾向にあった。喘息モデルマウスのBAL中IL-10及びIL-24はトファシチニブ投与濃度が上昇するにつれ3日目時点では上昇する傾向にあった。しかしトファシチニブ投与後7日目の測定ではIL-24は濃度変化が乏しくなった(IL-10は未測定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
呼吸器内科医であるため、COVID-19患者の診療負担が増加また、院内の感染制御部部長を兼任することになり、これまでの呼吸器内科医としての業務に加え、COVID-19へ院内としての対応業務が追加され、思うように実験の時間を捻出できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今回、1年間の猶予を頂いたので、これまで行うことが出来た実験結果を既知のデータなどと照らし合わせ、足りないとおもわれるデータを必要最小限の実験を行い証明し、一つの結果として、完成させたい。 具体的な検討項目としては、IL-24とIL-13の相関関係を再度検討する予定である。またトファシチニブのリモデリング抑制の有無について、マウスの肺組織を使用して検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
追加実験でマウスの使用を検討しており、マウスの肺組織の解剖及び免疫染色にかかる薬剤の費用。マウスの新規購入代金、IL-13やIl-24抗体の不足分の購入費に充てる予定。
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