本研究はIL-24が気管支喘息患者に果たす役割を解明することとしていた。 IL-24がこれまでの知見で癌細胞内で血管新生阻害作用及があると考えられていたので、我々はIL-24が気道リモデリングの抑制効果もっているのか、もしくは増悪を引き起こすのか両方の可能性を念頭に検討した。 IL-13を複数の濃度に調整して、気管支線維芽細胞に加えて、産生されるIL-24の量に影響を与えるかどうかを測定した。プレートにIL-13を0ng/mLから100ng/mLで調整し添加し、産生されるIL-24を測定したが、有意な変化は確認できなかったので、濃度を変更しながら、繰り替えし実験を行うこととした、2022年にKang-niらによりたIL-24がEpithelial-mesenchymal transitionの発生を制御することにより気道リモデリングに寄与する可能性があること、また癌細胞における、IL24の働きと気管支喘息におけるIL-24の働きが異なる点が報告されたので、IL-24が気管支喘息増悪に働く事を念頭に研究をすすめることとした。気管支線維芽細胞に0ng/mLから5μg/mLのlL-13を添加したところ、IL-24の濃度はIL-13の添加量に比例し徐々に上昇した。IL-24はJAKを介して、STAT1、STA3などを活性化させるので、LAK阻害剤である、トファシチニブを投与した非喘息モデルマウスと喘息モデルマウスのBAL中のIL-24を2021年~2022年にかけて繰り返し測定したが、予測に反して喘息モデルマウスは非喘息モデルマウスよりIL-24の値は低い傾向にあった。非喘息モデルマウスのBAL中のIL-24はトファシチニブ投与濃度が上昇するにつれて若干低下傾向であったが、喘息モデルマウスではトファシチニブの投与量とIL-24の値に傾向は確認できなかった。
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