研究課題
前年度までに我々は、A/Jマウスに対してタバコ煙中の主要な発癌誘導物質であるNNKを投与後にタバコ煙曝露を行い、喫煙誘導性に肺癌と肺気腫が生じるモデルを世界で初めて作製した。本モデルは簡潔に喫煙曝露を行うことで、肺腫瘍・肺気腫が形成されるモデルである。本年度は同プロトコールを施行した、空気曝露群、連続喫煙群、間歇喫煙群の気管支肺胞洗浄液、組織学的な評価、全肺のPCR等による間歇喫煙が肺気腫・肺腫瘍を増強する機序の解明に着手した。間歇喫煙群は連続喫煙群、空気曝露群と比較して気管支肺胞洗浄液の炎症細胞、特にマクロファージの増加などの炎症の増加、組織学的なM2マクロファージの浸潤を特に腫瘍近傍に認めた。本研究結果から炎症の増強が間歇喫煙曝露に伴う肺気腫・肺腫瘍の増強の機序の一つと考えられた。本研究期間前提として、喫煙に伴う肺気腫・肺腫瘍を評価できる世界で初めての実験モデルの確立、機序の一つの発見、今後の実験への足掛かりにつなげることができた。
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Am J Respir Cell Mol Biol
巻: 59(2) ページ: 179-188.
10.1165/rcmb.2017-0375OC.