本研究の意義は、肺がん発現に至るまでの経時的な遺伝子変化、慢性炎症、酸化ストレスを評価可能なことである。また連続喫煙群と、禁煙群の肺に与える影響の差を明らかにできることである。肺がんの発症予防は臨床的に非常に重要な分野であり、ヒトを対象にしたphase Ⅲ試験も複数行われている。しかしこうした臨床研究で効果の確立したChemopreventionの薬剤は未だないのが現状である。本研究の結果により、肺癌のchemopreventionの薬剤開発のためのpreclinical modelの提唱、chemopreventionが有効である対象の選択、マーカーの探索の開発につながると考えている。
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