本研究では、ウィルス核成分を用いた喘息増悪モデルマウスの作製およびその制御法開発のための研究基盤の構築を試みた。通常の喘息マウスと比較して喘息増悪マウスでは気道過敏性が著しく亢進し、好中球性気道炎症を伴いながらTh2サイトカイン以外にもTh1/Th17免疫反応に関わるサイトカインのレベルが上昇した。このとき、神経ペプチド受容体を発現する免疫細胞も出現し、その阻害剤投与によって喘息の増悪は回避された。これらのことから、ウイルス感染時に誘導される神経ペプチドと免疫細胞の相互作用が喘息増悪を軽減できる標的になり得ることが推察された。
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