研究課題/領域番号 |
17K16067
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
藤田 浩平 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 展開医療研究部, 研究員 (10790876)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 肺非結核性抗酸菌症 / 肺MAC症 / 免疫チェックポイント阻害薬 / 播種性非結核性抗酸菌症 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、臨床検体として肺非結核性抗酸菌症患者の気管支鏡検査時のBAL液および血清を70名まで追加保存することができた。 また肺非結核性抗酸菌症患者の集積する中で、疾患感受性因子の一つである抗IFNγ自己抗体を保有する患者を同定し、播種性非結核性抗酸菌症なかでも過去に報告がないM.kansasii症が生じた症例を報告した。(Kashihara E, Fujita K, et al. Am J Trop Med Hyg. 2019 Nov;101(5):1066-1069.) さらに近年、肺癌治療で注目を浴びている免疫チェックポイント阻害薬を使用中に肺非結核性抗酸菌症が急速に発症した症例を複数例経験したためまとめて報告を行った。(Fujita K, et al. Open Forum Infect Dis. 2020 Mar 7;7(3):ofaa067) これらの報告においては、抗IFNγ自己抗体や免疫チェックポイント阻害薬などいずれも肺非結核性抗酸菌症の疾患感受性因子の一つとして重要であり、近年着目されている因子と肺非結核性抗酸菌症の発症に関する重要な知見を報告できたと考えている。これらの疾患感受性因子は本研究の目標である疾患感受性、増悪バイオマーカー研究の重要な果実の一つと考えられる。
上記収穫を得つつ、最終年度に向けて集積を行ったBAL液および血清を用いてコレクチンおよび抗菌ペプチド濃度と病態の形成、進展との関連を調査する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標症例数に到達しており、症例集積途中で疾患感受性を持つ症例を経験し2つの論文を発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
目標症例数に到達しており、保存検体を用いてあらかじめ予定していたバイオマーカーを測定し、臨床経過等との関連を比較検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
経費節約のため最終年度にまとめてELISAキットの購入を予定している。
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