ADAMTS13は止血因子であるvon Willebrand因子の特異的切断酵素である。本研究は、全身のADAMTS13機能不全が血栓性微小血管症(TMA)における腎障害あるいはTMAを介さない腎障害の発症・進展に影響を及ぼすか否かを明らかにすること、さらには腎局所における同酵素の役割解明を目的とした。その結果、全身のADAMTS13欠損(KO)マウスに腎炎モデルを導入したところ、KOマウスにおける有意な生存率の低下とTMA様症状の出現を認めたため、現在、より詳細な解析を進めている。本研究の成果は、ADAMTS13を介した腎臓における血栓制御機構の解明に寄与することが期待される。
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