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2017 年度 実施状況報告書

糖質コルチコイドによる腎尿細管を介した血圧日内変動制御の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K16075
研究機関東京大学

研究代表者

西本 光宏  東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (90646572)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード食塩感受性高血圧 / 日内変動 / 鉱質コルチコイド受容体 / 糖質コルチコイド受容体
研究実績の概要

血圧日内変動の機序の解明を目的とする。血圧日内変動の異常は臨床的には夜間睡眠時降圧不良として発現し、心血管病発症の重大な危険因子となる。本研究では日内変動の制御因子としてこれまであまり注目されていなかった糖質コルチコイドによる腎尿細管ナトリウム再吸収調節を介した制御機構の解明をめざす。本年度は野生型マウスの解析と病態モデルの確立に注力した。
<野生型マウスの日内変動の検討>野生型マウスについてメタボリックケージを用いて日中夜間の尿の分析を行った。Na/K排泄および尿量について日中/夜間での変動を認めた。また血圧についてテレメトリ法を用いた血圧、活動量、脈拍の変動のデータを集積した。さらに腎サンプルを回収凍結保存しており、Na, K, Cl輸送体、並びに時計遺伝子発現解析の準備を進めている。<生理的コルチコステロン負荷モデルマウスの解析>夜間高血圧モデルとして予備検討に引き続き生理的濃度のコルチコステロン投与モデルを用いた検討を行った。Osmotic Mini pumpを用いて予備検討と同様にコルチコステロンの日内変動を消失する程度の濃度を人工的に投与した。予備検討ではtail-cuff法によって日中の血圧上昇を認めていたが、対象個体を増やしてさらにtelemetry法により詳細な血圧変動の解析を行ったところ日中の血圧上昇が必ずしも再現しないことが明らかになった。Osmotic mini pumpによる投与が投与期間中、十分に効果を発現しない可能性があり、コルチコステロンの徐放製剤を用いた検討に切り替えた。telemetry装置の台数に限りがあり十分な検討が行えていないが、本来マウスにおいて血圧が低下する睡眠中血圧の軽度の上昇をtelemetry法によって確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

夜間高血圧モデルの確立に手間取っている。また腎汎尿細管特異的MR/GRの各ノックアウトマウスを使用予定であるが、遺伝子変異が3つ揃う必要があり、繁殖のバラつきがでてきてしまう。十分な個体数の繁殖には資金的な不足もあり、計画より進行が遅れている。また遠位尿細管特異的ノックアウトマウスについても引き続き作出を行っているが、同様の理由により十分な個体数の確保にいたっていない。

今後の研究の推進方策

夜間高血圧モデルについては現在予備検討段階であるコルチコステロン徐放製剤によるモデルの確立をすすめる。更に鉱質コルチコイド作用を持たず、11βHSDの作用をうけないデキサメサゾン投与は腎尿細管のmRNAおよびタンパク発現のに作用することを見出しているが、血圧についてもコルチコステロン同様に夜間高血圧のモデルになりうるかを検討する。また培養尿細管細胞での検討をすすめる。

次年度使用額が生じた理由

病態モデルの確立に時間を要し、遺伝子改変マウスの使用数が予定を下回った。繁殖を加速する必要があり、来年度飼育費用の増大が見込まれるため、そちらに適用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 食塩感受性高血圧の内分泌学的および腎生理学的検討2018

    • 著者名/発表者名
      西本光宏
    • 学会等名
      第6回高血圧フォーラム in 金沢
    • 招待講演
  • [学会発表] 食塩感受性高血圧の内分泌学的および腎生理学的検討2017

    • 著者名/発表者名
      西本光宏、上田浩平、河原崎和歌子、水野理介、森典子、渡邉篤史、広浜大五郎、鮎澤信宏、大庭茂喜、丸茂丈史、藤田敏郎
    • 学会等名
      第90回日本内分泌学会学術総会 シンポジウム6
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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