腹膜透析の合併症である腹膜線維化を軽減するために、CTGFに着目した。CTGFは病的な状態で他の増殖因子の機能を調節し、細胞外基質増加や炎症を惹起する。我々は薬剤誘導性CTGFノックアウトマウス(Rosa-CTGF cKO)を作製し、腹膜線維化におけるCTGF抑制の検討を行った。 腹膜線維化を惹起すると、腹膜肥厚に加え腹膜でのCTGF発現が亢進し、Rosa-CTGF cKOでは腹膜肥厚が改善し、腹膜における線維芽細胞の増殖が軽減していた。腹膜線維化で亢進した腹膜透過性がRosa-CTGF cKOでは軽快していた。腹膜線維化においてCTGF抑制は治療効果があることが確認された。
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