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2017 年度 実施状況報告書

ファブリー病治療における活性型 ビタミンDの可能性~オートファジーの観点から~

研究課題

研究課題/領域番号 17K16085
研究機関大阪大学

研究代表者

難波 倫子  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30734420)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードファブリー病 / 活性型ビタミンD / リソソーム / TFEB
研究実績の概要

現在、研究に必要なマウス;ヒトのGb3合成酵素を過剰発現させたマウス(G3S Tgマウス)とGLA KOを交配して作成した有症状モデルマウス、GFP-LC3トランスジェニックマウスとファブリー病マウスを交配して作成するオートファジーフラックスを可視化できるファブリー病マウス、ビタミンD活性化に必須の1α水酸化酵素欠損マウス(CYP27B1 KOマウス)とGLA KOマウスと掛け合わせたマウス(CYP27B1/GLA DKOマウス)などを作成している途中である。有症状モデルマウスはほぼ確立しつつあり、有症状モデルマウスは歩行異常や皮膚に異常が各出現することを確認した。今後は臓器へのGB3の蓄積や腎障害の程度を評価する予定である。モデルマウスの確立に時間を要するため、活性型ビタミンDがリソソームに及ぼす影響に関する検討を並行して進めることとした。予備実験にて活性型ビタミンDがリソソーム形態を変化させることは示しているが、その機序としてリソソームの主要な制御因子であるTFEBに着目し、GLA KOマウスおよびファブリー病患者から採取した皮膚線維芽細胞に活性型ビタミンDを投与しTFEBの動態に及ぼす変化について評価を行った。GLA KOマウスに活性型ビタミンDを投与すると、TFEBが核内へ移行することを免疫染色にて確認した。また、ファブリー病患者の皮膚線維芽細胞に活性型ビタミンDを投与し、細胞を細胞質と核に分離し各々のTFEBの発現を評価したところ、一定濃度の活性型ビタミンDを投与すると核分画内のTFEBの発現量が増加することが示された。今後は有症状マウスモデルマウスを用いて活性型ビタミンDの腎障害に及ぼす影響についてさらに検討を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

主にモデルマウスの作成が遅れている。その理由として有症状モデルマウスの作成に必要なヒトのGb3合成酵素を過剰発現させたマウス(G3S Tgマウス)を他の施設から移動する際に受精卵の状態が悪くうまく胚移植を行えなかった点が挙げられる。新しい受精卵を作成するために3か月程度の期間を要した。また、CYP27B1 KOマウスを飼育していた飼育室に問題が生じたため、マウスを他の部屋に移動する必要があった。マウスの飼育室間の移動には胚移植による移動が必要となったため、この作業に2か月の時間を要した。以上のようにモデルマウス作成の過程で問題が生じたため、本研究において全体的な遅れが生じた。現在のところ、マウスの作成は順調に進んでおり、予定通りモデルマウスを用いた検討を行っていく方針である。

今後の研究の推進方策

主にマウスを用いた検討を行っていく。有症状モデルマウスに活性型ビタミンDを投与し、腎機能維持や抗蛋白尿効果に作用するか確認を行う。またビタミンD活性化に必須のCYP27B1が欠損したCYP27B1 KOマウスをGLA KOマウスと掛け合わせ、蛋白尿が増加するか検討を行うことで、ファブリー病における活性型ビタミンDの抗蛋白尿効果を証明することが出来る。
マウスで活性型ビタミンDの効果を確認した後に、その機序の検索を行う。蛋白尿に関与する糸球体および近位尿細管での活性型ビタミンDの作用について、ミトコンドリアやリソソームなどの細胞内小器官への影響を評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究が予測通りの結果でない部分があり、その原因究明のため進歩が当初予定より遅れている。そのため次年度使用額が生じている。

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公開日: 2018-12-17  

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