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2018 年度 実施状況報告書

患者由来近位尿細管細胞を用いたLowe症候群の病態解明および新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K16087
研究機関神戸大学

研究代表者

南川 将吾  神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (10772634)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードDent disease 2 / Lowe症候群 / 尿中落下細胞 / 次世代シークエンサー / ナンセンスリードスルー
研究実績の概要

前年同様、Dent disease 2、Lowe症候群患者の症例を収集し、次世代シークエンサーによる遺伝子解析を行った。Dent disease 2とDent disease 1においては表現型の違いが無い症例が多く、収集したDent病の内多くはDent disease 1であったが、それでも複数のDent disease 2の症例と少数のLowe症候群患者においてOCRL遺伝子変 異を同定し、遺伝学的診断を行った。Lowe症候群患者においては全ての変異がExon 8以降であったのに対し、Dent disease 2ではExon8以前の変異は全て truncating変異でExon 8以降の変異は全てnon-truncating変異であった。これは過去の報告と一致した結果である。
これらDent disease 2とLowe症候群患者の内、それぞれ数例において尿中落下細胞の培養・cell lineの生成を前年度より追加した。これら尿中落下細胞に対して、RT-PCRによるOCRLのmRNA定量、 Western blottingによるOCRLの定量、ELIZAによるOCRLの定量を行っており、Dent-2とLowe症候群の尿中落下細胞におけるこれらの差異について解析中である。 また、Lowe症候群と診断し、尿中落下細胞を樹立した患者の内、2例はナンセンス変異を持つ症例であった。現在、この尿中落下細胞に対して分子標的治療を 行うため、ナンセンスリードスルー誘導薬剤を投与し、Western blottingやELIZAによるOCRLのタンパク定量によって効果判定を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

症例の蓄積については順調と考えており、尿中落下細胞の樹立については成功確率は高くないものの、一部症例で成功している。この成功率については尿中の細胞数に依存しており、尿中落下細胞が多いと考えられる糸球体疾患では成功率が高いのに対し、尿細管のチャネル異常や酵素異常であるDent/Lowe症候群では成功率が低いと考えられる。
皮膚線維芽細胞では報告が複数あるものの、尿中落下細胞においてmRNAやタンパク定量を施行した報告は未だ無い。そのため結果は未知数であるが、蛋白のELIZA定量とWestern blotting定量の結果に差異が生じている。本来同じ結果となるべきであるが差異を生じている結果について、手技稚拙が主因の一つと考えている。また、尿中落下細胞はヘテロな細胞の集団であることも結果のばらつきに大きく影響している可能性がある。
これらの評価方法が不安定なため、ナンセンスリードスルーについても効果判定評価が再現性に乏しい。

今後の研究の推進方策

尿中落下細胞というヘテロな細胞集団であっても、症例数の増加により結果は安定が得られると考える。そのため、症例数の引き続きの増加が望まれる。学会発表、執筆を積極的に行い、Lowe症候群/Dent disease 2症例の遺伝子解析施設であることを周知するように努める。
mRNA解析・Western blotting解析・ELIZA解析の各種解析は評価の根幹となるため、手技の安定性を得るため繰り返しの測定練習を行う。

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公開日: 2019-12-27  

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