研究課題
LTB4-BLT1シグナルによる腎間質線維化の作用機序を明らかにする目的で、野生型とBLT1ノックアウトマウスに一側尿管結紮(UUO)モデルを作成し、研究を行っている。昨年度までに、①野生型マウスに、BLT1ノックアウトマウスの骨髄を移植したマウスのUUO腎では、抗Type I collagen抗体の陽性面積は減少し、抗S100A4抗体陽性細胞浸潤数が減少し、腎間質線維化が抑制されることが分かった。②BLT1受容体拮抗薬の投与では、野生型UUO腎の抗Type I collagen抗体の陽性面積は減少し、αSMA、Col1a1、TGF-βの遺伝子発現は低下し、UUO腎臓の間質線維化が抑制されることが分かった。本年度は、①野生型とBLT1ノックアウトマウスのUUO腎を用いて、抗Gr-1抗体陽性細胞(好中球)浸潤数やGr-1遺伝子発現、CD3(T細胞)遺伝子発現の評価を行ったが、2群に経時的な有意差は認められなかった。②野生型マウスに、BLT1ノックアウトマウスの骨髄を移植したマウスのUUO腎を用いて、抗F4/80抗体陽性細胞(マクロファージ)浸潤数やF4/80遺伝子発現の評価を行ったところ、コントロール群と比較して共に有意な減少を認めた。抗Gr-1抗体陽性細胞(好中球)浸潤やGr-1遺伝子発現の評価も行ったが、コントロール群と比較して、有意差は認められなかった。以上のことから、LTB4-BLT1シグナルの腎間質線維化の作用機序には、マクロファージと線維芽細胞が関わっている可能性が示唆された
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PLoS One
巻: 14 ページ: -
10.1371/journal.pone.0215625